4回目の海外旅行は,Hong KongとMacauに行った。D2の冬のことである。
私は母親とふたりで,建築士としてHong Kongオフィスに半年間勤務していた姉を訪ねた。学部生だった妹は来なかった。私の妹は,興味がないことに対しては見向きもしない。知人が勧めるから徐々に興味が沸く,気付いたら好きになっていた,ということはほとんどない。妹が高校生の時,私は母とともに,妹の誕生日にアクセサリをプレゼントしたことがあった。デザインが気に入らないと言って,妹はいらないと言った。妹は私や母と仲が悪いわけではない。むしろ,仲が良いと言ってよい。アクセサリのデザインが気に入らなかっただけである。興味がないことに対しては見向きもしない,それが私の妹である。Hong Kongに対しても興味がなかった妹は,日本に残った。
私は,この旅でRimowaデビューを果たした。マスターに入学して以来,新幹線と飛行機を利用する移動が増えた。理由は2つある。ひとつは,地元の奈良を離れたためである。帰省の際は新幹線を利用した。ひとつは,研究活動で移動するためである。学会,研究会,研究打ち合わせ等,移動には新幹線と飛行機を利用した。さらに,ドクター進学以降は,海外旅行に行く機会が増えた。「旅の記録」をこつこつとブログに書いているが,毎年どこかに出掛ける。海外へは飛行機で飛ぶ。新幹線や飛行機を利用すると,当然,旅行や出張で出掛ける人を目にする。ビジネスバッグひとつのスーツピーポーは日帰り出張かな,ボストンバッグプラス東京バナナの紙袋を持つ人は2,3泊の東京観光かな,大きなroller bagを引いたバックパックルックの人は海外旅行かな,とバッグのサイズと立ち居振る舞いで旅行のスタイルや旅行期間を推測できるようになった。私には,気になるバッグがあった。どのブランドが知らないが「あのバッグいいなあ」と思うバッグがあった。そのバッグは「Rimowa」だった。webで調べると,やはり格好良かった。値段を見ると,安くはなかった。そんな折,日程は未定だったが,Australiaでの在外研究が内定した。私は,今後,海外を含めて出掛ける機会が増える,バッグを使う機会も増える,どうせ使うならRimowaがいい,と考えた。Rimowaは安くはないが,デザインのスマートさ,強度,「あ,Rimowaを使っている,旅の初心者ではなさそう」という非言語コミュニケーションを可能とするブランド力など,旅のアイテムとして十分な実力を兼ね備えている。ファッションバッグは,価格レンジが広い。Birkinに代表されるようなハイグレードなバッグは,諭吉が大集合する価格である。一方,旅行バッグは,価格レンジが狭い。Rimowaはハイグレードなバッグに位置づけられるが,諭吉の人数はそこまで多くない。定価で買えばRugby Unioinのスターティングメンバー数ほどの諭吉を要するが,お得な並行輸入品をwebで買えば,Sevens Rugbyのスターティングメンバー数ほどの諭吉で購入できる。サイズが小さくなればメンバー削減が可能である。
旅行前の段階で,packingの知識が増えた。Rimowaには,私と母親の荷物を一緒にpackingした。エアラインはANAだったので,ANAのコールセンターに,cheked-in baggageは重くても大丈夫かと尋ねた。ブッキングしたチケットの許容荷物重量は,ひとり23kgだった。電話では,2人分を合算した46kgまで大丈夫だと答えが返ってきた。しかし,条件があった。checked-in baggageは,30kgを超えると,過重荷物として通常とは異なる手続きを要する。合計46kgまでなら,1個でも5個でも構わないが,1個で30kgを超えないようにした方が旅はスムースになる,ということだった。30kgを超えるほどの荷物はなかった。姉にお土産のリクエストを聞くと,母の手作りスイーツだけだった。基本的な生活アイテムはHong Kongで揃うということだった。この旅では問題はなかったが,私は後に,「packing23kg問題」と呼ぶべき荷物重量問題と付き合うことになる。Rimowaは,乾燥重量で7kgある。多くのエアランは,Yクラスの荷物重量に23kgまでの制限を設ける。後にAustraliaで在外研究に2度従事するが,3か月の短期滞在と言っても,1週間や10日間の旅行とは違い,荷物は多い。荷造りのスタート地点で重さが7kgある,およそ3分の1の重量をバッグ本体の重さだけで占めてしまう。「空輸すればいいじゃないですか?」と言われたことがあるが,Australiaは日本から近くはないので,空輸コストが高く,私は採用しなかった。以前,マンションで隣に住んでいたシェアリングの女子学生に体重計を借りたのも,23kgをめぐるせめぎあいのためである。
checked-in baggageの実際を体験した。Rimowaデビューは,面白い幕開けだった。関西空港からHong Kongに着いた時,Rimowaをpick upすると,子どもの拳サイズの凹みがあった。手荒い洗礼である。しかし,山下マヌー先生が指摘するように,checked-in baggageは,凹む,傷がつく,汚れる,紛失する,というリスクを承知して預けることを前提とする。私はこの前提を了解していた。私はバッグの凹みで凹むことはなかった。
姉は,空港に迎えに来てくれた。Hong Kongでは中国語(広東語)と英語が公用語である。オフィスでは英語を使っていたようだが,中国語も少し学んだらしい,歓迎と中国語で書いたカードを持って迎えてくれた。私は中国語には不案内であるが,歓迎という単語であることは分かった。「歓」の字は漢字と似ており,「迎」の字はそのままだった。歓迎の気持ちが嬉しかった。
Hong Kongのバスは,かなりスリリングな走行を展開していた。空港から,姉の住むマンションに向かうため,バスに乗った。空港からCentralへは,電車,バス,タクシーという基本的な交通オプションが揃っていた。バスは,カーブの度に大きく左右に揺れた。私は乗り物酔いしやすいタイプであるため,すぐに気分が悪くなった。酔い止めを服用して事なきを得た。Hong Kongのバスは,2階建てが基本である。United Kingdomの文化の影響を受けているらしい。滞在中に何度かバスに乗ったが,総じてスリリングな運転が展開された。1階建てバスと較べてトップヘビーなバスであるにも関わらず,Hong Kongのバスの運転手はカーブで速度を落とさない。姉は,「バスの事故が少なくないらしい」と言っていた。実際,滞在中にニュースを見ていると,バスが横転した件が報道されていた。いかにもポッシブルだったので,私は驚かなかった。
姉が滞在していたホテルで荷物をドロップし,スタジアムでサッカー観戦をした。姉はサッカーファンである。私は学部生の頃,姉とふたりで何度かサッカー観戦に行ったことがある。春休みに,JRの青春18きっぷを利用して,奈良県から静岡県まで行ったこともある。姉はジュビロ磐田ファンで,私がそれに乗るかたちであった。Hong Kongで観戦したサッカーは,詳細は忘れたが,何歳か以下のアジア最終予選だった。Japan vs. Hong Kongの試合で,日本が惜敗という内容だったと思う。日本のサポーターはほとんどおらず,完全アウェイと言ってよかった。当時は現在のようなforeign affairsが加熱していなかったため,サッカーに関連しない感情表出は見られなかった。
次の日は,Ocean Parkに向かった。Ocean Parkは,文字通り海を望む場所につくられた広大な娯楽施設である。平易に言うと,遊園地と動物園と水族館がひとつになった施設である。渋滞するほどのテーマがあるテーマパークである。私たち3人は,気球に乗ってドキドキし,パレードを鑑賞して雑技団の片鱗を感じ,惜しげもないパンダの展示で大陸のパンダ力を知り,長すぎるロープウェイで暇つぶしに姉からHong Kongの建築動向を学び,水槽展示で美ら海水族館の水槽の大きさに思いを馳せ,アイスショーを観て何でもあるなあと感心し,ウォータースライダーでは濡れたくないから自分は見ておくと言った私に姉が若干不快感を示すなど,いろいろと楽しんだ。姉は,ローカルがOcean Parkを推奨する理由が分かったと言った。Hong Kongには,娯楽施設的サムシングが少なく,Disney LandとOcean Parkくらいしかないらしい。渋滞するほどのテーマがあるOcean Parkは,遊ぶには不足がないと言えそうだ,という考察だった。
滞在中のうち3日は,母とふたりで観光した,街の魅力を満喫するとともに,旅の素養を身につける機会となった。姉はオフィスで仕事をした。
Hong Kongのシティ観光に出た。文武廟という寺院に向かった。私はローカルが心の拠り所とする場所をよく訪ねる。その場所に立ち,ローカルの行動特徴に対する造詣を深めるためである。文武廟は,多くのガイドブックで大きくフィーチャーされている。大きな渦巻き線香が天井からぶら下がっていることで知られ,私も写真から伝わる魅力に惹かれて訪れた。文武廟を訪れて,私はすぐ,ローカルが心の拠り所とする場所は,旅行者がポップに訪れる場所ではないと気付いた。現地の流儀に理解を示し,ローカルの邪魔をしない範囲でその場所の魅力を嗜むのが礼儀だと心得た。来てはいけないと思ったのではない。それならそもそもガイドブックに掲載されることはない。ただ,旅行者が来ることを面白く思わないローカルがいることには自覚的である必要がある。京都のお寺は観光化に成功しているが,敬虔な者は旅行者の受け入れに共感的でないことがある。沖縄の御嶽はその傾向が顕著である。次に,買い物をした。物価が安いと感じた。免税店で,Diorの香水セットを買った。香水セットは日本の半値ほどだった。後に分かったが,Hong Kongの物価は,世界的に見ても安い。私見だが,免税店は,同一のアイテムなら世界的にあまり値段が変動しない。しかし,Hong Kongは安かった。お得だと言って買い物をする私に影響され,母も同じ香水セットを買った。妹のお土産にした。帰国後に母が妹に香水セットを渡すと,もちろん,と言うべきか,やっぱりそうか,と言うべきか,妹は「Diorは好きじゃないからいらない」と言った。母は,ビンがオシャレだからとラックに飾った。私は,海外に滞在中は,1度はMcDonald'sで食事をすることに決めている。日本では,エビちゃんfeverでエビフィレオがグランドメニュとなった。Hong Kongでも食べることができた。母とともに,エビフィレオミールを2つオーダーした。日本でエビフィレオセット1つが食べられるかどうか,という値段だった。日本と変わらず美味しかった。海外で初めてタクシーに乗った。英語運用や街歩きに慣れてきたわけではない。The Peakという「Hokg Kongの夜景と言えばここ」というスポットに向かう途中,タクシー以外に交通手段がないという事態が出来した。The Peakへはトラムで向かう。トラムの駅には,多様な交通オプションがあるが,私が選択した道がトラム駅に繋がらないことが途中で分かった。歩いて行けないという距離ではなかったが,普通は歩かない距離,という距離だった。タクシーを拾って,無事にトラムに乗った。バスと同じで,タクシーも揺れが大きかった。軽く酔ったが,すぐに駅に着いた。The Peakで,食事をしながら夜景を満喫した。高層ビル群の照明は,街を眩しく彩っていた。
日帰りでMacauを観光をした。「1泊してきたら?」と姉は提案した。私の気持ちは日帰りだった。今の私なら,時間の許す限り宿泊して観光する。しかし,当時の私は,英語に不安があった。今の私が,英語に不安がないというわけではない。ただ,今では,旅行における諸諸のビヘイヴィアは,英語ベースで行うことができる。当時は,ホテルをどう予約してよいかも分からなかった。過去3回の海外旅行を振り返ると,初めての海外旅行で行ったKoreaは修学旅行だったので,自分で予約する必要がなかった。2回目の海外旅行で行ったGuamは,旅行代理店のパッケージ個人旅行で予約したので,自分でホテルを予約する必要がなかった。3回目の海外旅行で行ったAustraliaは,生協トラベルセンターで予約したので,これも自分で予約する必要がなかった。当時,私は26歳だった。姉は28歳だった。姉は学部とマスターに在籍中,backpackerスタイルでいろいろ旅をしていた。そして,Hong Kongで勤務していた。旅の経験値が私より高かった。「日本語サイトで予約もできるよ」と勧めてくれたが,私は日帰りを選択した。今思えば,母と同行することも影響していたかもしれない。母の隣で,英語でstruggleしたくない,という考えが過ぎった覚えがある。要するに,旅と英語運用の経験が足りなかった。Macauと言えば,Las Vegasを凌ぐCasino Cityである。ギャンブルに興味がなかったので,私と母はCasinoを観るだけに留まった。最初は「カジュアルだとまずいかな」と装いを心配した。ガイドブックを参照すると,どの国のCasinoであっても「Casinoではそこそこスマートに」と書いてある。デニムルックで入場できるか心配する私の横で,母は「まあ,いいんとちゃう」と暢気だった。実際に入場すると,みんなカジュアルだった。United Statesに留学した同級生は,Las Vegasに行ったことがあった。服装について聞くと「みんなカジュアルやったで」と言う。これをどう考えればよいか。映画のOcean'sシリーズを観ると,George Clooneyをはじめとして,キャストは皆着飾っている。ガイドブックもスマートを推奨する。実際はカジュアルである。推測だが,楽しむ金額がある程度以上ならスマートにした方がいいのだろう。私と同級生はたぶん,オーディナリーな金額の嗜みを観ていたのだろう。Macauの思い出で特筆すべきは,egg tartの美味しさであった。今では考えられないが,当時の私はガイドブックを片手に,この建物はあっちにあるのかな,このお店はこの辺りかな,と歩いていた。ガイドブックを片手に街を歩くことが悪いと言っているのではない。私は,「私は日本人旅行者です」というメッセージを無碍に発信するビヘイヴィアは採択しない方がよいと考えている。ガイドブックを街中で広げる旅行者を「格好良くない」と言う人がいるが,それは趣味の世界である。私も格好良いとは思わないが,価値観に依存する問題である。革ジャンが格好良いと思うか,カーディガンがオシャレだと思うか,襟シャツジャケットルックが最高だと思うか,という問題と同じで,人の好みの問題である。ただ,日本語表記のガイドブックを広げるのは,日本人旅行者だけである。不案内な街で,自分の属性を開示しながら歩くのは,旅の保安上よいとは思えない。話を戻して,母が「egg tartが美味しいらしいから,食べに行きたい」とオーダーしたので,私はガイドブックを開いてお店のロケーションを確認した。私と母は,店のすぐ近くにいることが分かった。「2区画先にあるはず」と言って歩くと,すぐにそのお店があった。「なんかラッキーやね」と言ってtartをオーダーした。tartは焼きたてだった。「焼きたてらしいで,ラッキー」と言って食べた。とてもおいしかった。ただ,焼きたてにかぶりついた母は,硬口蓋のあたりを軽くやけどしたようだった。建築士的おすすめスポットを姉から聞いていた。旧居的な建物を観て回った。確かに趣き深かった。帰り道は,学ぶことがあった。ひとつは,MacauとHong Kongを行き来する僧侶がいたことである。Hong KongとMacauはフェリー移動が一般的で,私と母もフェリーを利用した。行き帰りで,たくさんの僧侶を目にした。詳細は分からない。ただ,僧侶の存在が印象に残った。調べれば,詳細を学べそうである。フェリーは揺れる。私は酔い止めを服用して問題はなかったが,防水袋に嘔吐する僧侶もいた。フェリーの他に,ヘリコプターで移動する方法もある。オーディナリーな旅行者にはあまり縁がない。もうひとつは,入国審査の実際である。Hong KongとMacauは,外国人旅行者の場合,都度入国(?)審査を通過する必要がある。私と母は,日帰り海外旅行をしたことになる。Macau入国はスムースに手続きが進んだが,Hong Kong入国は職員の手続きがとても慎重で,時間がかかった。私と母は,審査をパスするまでに1時間ほど時間を要した。1度でも経験したことがある方はお分かりだと思うが,入国審査および出国審査を通過する時間は,先行する旅行者と手続きを行う職員に依存する。先行する旅行者が,必要なビザを申請していない,なんらかの疑惑がある,等の場合,時間は長くなる。また,各手続きを慎重に行う職員の列に並んだ場合,手際を重視する職員の列に並んだ場合と比較して,所要時間が長くなる。手続きを待つ間,あるカップルを見た母が「あれはいい方法ね」と言った。ふたりで同じ列に並ぶのではなく,それぞれが異なる列に並び,手続きが早い列にもう一方がそっと入る,という方法である。モラル上よろしいことではない。国によっては,このビヘイヴィアを行うと,注意される場合がある。私は,モラルは,草の根的にモラルを維持することで維持されるものだと考えている。そのため,こういう時には,時間がかかっても仕方がないと言って耐え忍ぶ。
1日は,街でのんびり過ごした。Bluse Leeの像の前で写真を撮った。文字通りのiconなので,人がたくさんいた。Mandarin Oriental Hong Kongでafternoon teaを楽しんだ。afternoon teaというものを始めて楽しんだが,とてもおいしかった。Hong Kongは,人口密度が高いことで知られており,街には高層マンションが林立する。Hong Kong限定のLeSportsacは,そんな住宅事情を反映した「マンションの間取りデザイン」のバッグをリリースしていた。私は気に入ったので,小さなバッグを購入した。母は,妹のお土産に,同じデザインでサイズが少し大きなバッグを購入した。妹の反応は,上述の2例と同じであった。そのバッグは,私が使っている。LeSportsacは,軽さと収納性の高さに優れている。私はラップトップを用いる授業の際,このバッグで講義室に向かう。
帰国に際して,空港で3点学んだ。ひとつは,ショップの配置は空港によって異なることである。Hong Kongの空港は,出国審査を通過する前,すなわち,旅行者以外も利用できるフロアには,レストランやショップがあまりない。チェックイン前に食事をするつもりでやってきた私と母は,カフェで軽食を取った。出国審査後,レストランがたくさんあり,なんだこんなにあったんだ,と少し残念だった。関西空港には,旅行者以外も利用できるフロアに,たくさんのレストランやショップがある。国内の空港と比較して,お手頃価格のレストランが多いことも特徴である。ひとつは,セキュリティが銃を携行していたことである。マガジンを装着したマシンガンだった。外国の空港では銃を持つセキュリティがいるのかなあ,と思っていたが,これはレアケースであることが後に分かった。ひとつは,謎の体調不良は仮眠で治る可能性が高いと知ったことである。搭乗ゲートの近くまで来たとき,気分が悪くなった。原因はよく分からない。hub空港として世界最大規模を誇るHong Kong空港は,旅行者が移動できる範囲も広大である。買い物を予定していたが,歩き回る元気がなかった。単独行動になるなら別に買い物はしない,と母は言った。私は20分ほどイスで眠った。起きると元気になった。帰りのフライトでは,ビールを飲んだ。
PROFILE
淡野将太 たんのしょうた 博士 (心理学) Syota TANNO, Ph.D.
淡野将太です。専門は心理学です。琉球大学で准教授を務めています。
Syota TANNO Ph.D., Associate Professor, University of the Ryukyus, Japan.
淡野将太です。専門は心理学です。琉球大学で准教授を務めています。
Syota TANNO Ph.D., Associate Professor, University of the Ryukyus, Japan.
Curriculum Vitae
Curriculum Vitae (Updated 21 January 2025)
Academic Degrees
2011年3月 広島大学 大学院教育学研究科 教育人間科学専攻 博士課程後期 博士 (心理学)
(Ph.D., Psychology, Hiroshima University, March 2011)
2008年3月 広島大学 大学院教育学研究科 心理学専攻 博士課程前期 修士 (心理学)
(M.A., Psychology, Hiroshima University, March 2008)
2006年3月 奈良教育大学 教育学部 教育・発達基礎コース 心理学専攻 学士 (教育学)
(B.A., Education, Nara University of Education, March 2006)
2002年3月 奈良県立畝傍高等学校
(Unebi Senior High School, March 2002)
Careers
2016年4月 - 琉球大学教育学部 准教授
(Associate Professor, University of the Ryukyus, April 2016 - Present)
2023年4月 - 2024年3月 University of New South Wales, Visiting Fellow
(Visiting Fellow, University of New South Wales, April 2023 - March 2024)
2014年4月 - 2016年3月 島根大学教育学部 講師
(Lecturer, Shimane University, April 2014 - March 2016)
2011年7月 - 2011年9月 University of New South Wales, Visiting Fellow
(Visiting Fellow, University of New South Wales, July 2011 - September 2011)
2011年6月 - 2014年3月 広島大学大学院教育学研究科 助教
(Assistant Professor, Hiroshima University, June 2011 - March 2014)
2011年4月 - 2011年5月 広島大学大学院教育学研究科 研究員
(Research Associate, Hiroshima University, April 2011 - May 2011)
2010年3月 - 2010年5月 University of New South Wales, Visiting Fellow
(Visiting Fellow, University of New South Wales, March 2010 - May 2010)
2008年4月 - 2011年3月 日本学術振興会 特別研究員 (DC1)
(Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science (DC1), April 2008 - March 2011)
Affiliations
日本心理学会
(Japanese Psychological Association)
日本教育心理学会
(Japanese Association of Educational Psychology)
Research Interests
教授学習,宿題
(Teaching and Learning, Homework)
攻撃行動,やつ当たり
(Displaced Aggression and Triggered Displaced Aggression)
Publications
淡野 将太 (準備中). 知能 中尾 達馬・泊 真児・田中 寛二 (編著). 心理学 (pp.xx-xx). ナカニシヤ出版 (Tanno, S. (in preparation). Book chapter. In Japanese.)
淡野 将太 (準備中). 動機づけ 中尾 達馬・泊 真児・田中 寛二 (編著). 心理学 (pp.xx-xx). ナカニシヤ出版 (Tanno, S. (in preparation). Book chapter. In Japanese.)
淡野 将太 (2025). 小学校における宿題と成績の関連から指導と評価を考える 指導と評価, 843, 56-57. (Tanno, S. (2025). Homework, academic achievement, guidance, and evaluation in elementary school. Educational Evaluation and Guidance, 843, 56-57. In Japanese.)
Tanno, S. (2024). Sabbatical experiences and beyond: Enrichment and integration in psychology research and education. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 105, 71-74.
Urauchi, S., & Tanno, S. (2024). Homework and teacher: Relationships between elementary school teachers' beliefs in homework and homework assignments. Japanese Psychological Research, 66, 290-301. https://doi.org/10.1111/jpr.12412
淡野 将太・中尾 達馬・廣瀬 等・城間 吉貴 (2023). 教員養成課程における入学前教育の実施と評価 琉球大学教育学部紀要, 103, 9-15. (Tanno, S., Nakao, T., Hirose, H., & Shiroma, Y. (2023). Pre-entrance education and self-evaluation of incoming university students. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 103, 9-15. In Japanese.)
淡野 将太・浦内 桜・越中 康治 (2023). 小学校教師の宿題研究に対する認識 琉球大学教育学部紀要, 103, 1-7. (Tanno, S., Urauchi, S., & Etchu, K. (2023). Homework research and teacher: Interview with an elementary school teacher on psychological homework studies. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 103, 1-7. In Japanese.)
淡野 将太・浦内 桜・越中 康治・Chuang Chi-ching (2022). 小学校の宿題量評定における学年考慮の重要性 琉球大学教育学部紀要, 101, 5-7. (Tanno, S., Urauchi, S., Etchu, K., & Chuang, C. (2022). Importance of consideration for grade levels on homework evaluation in elementary school. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 101, 5-7. In Japanese.)
淡野 将太 (2022). 心理学の学術誌論文の執筆指導 琉球大学教育学部紀要, 101, 1-4.
浦内 桜・淡野 将太・越中 康治 (2022). 小学校における宿題の内容に関する研究 琉球大学教育学部紀要, 100, 1-6.
Tanno, S. (2022). A descriptive review of research on peace education concerning Okinawa. Okinawan Journal of Island Studies, 3, 103-114.
淡野 将太 (2022). PTSDと戦争 池上 大祐・波多野 想 (編著). 島嶼地域科学を拓く――問い直す環境・社会・歴史の実践―― (pp.156-159). ミネルヴァ書房 (Tanno, S. (2022). Book chapter. In Japanese.)
淡野 将太 (2022). トラウマとPTSD 池上 大祐・波多野 想 (編著). 島嶼地域科学を拓く――問い直す環境・社会・歴史の実践―― (pp.151-155). ミネルヴァ書房 (Tanno, S. (2022). Book chapter. In Japanese.)
淡野 将太・浦内 桜 (2021). 琉球大学とUniversity of Guam間のCOILを用いた心理学教育 琉球大学教育学部紀要, 99, 45-48. (Tanno, S., & Urauchi, S. (2021). Psychology education via COIL between University of the Ryukyus and University of Guam. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 99, 45-48. In Japanese.)
浦内 桜・淡野 将太 (2020). 小学校教師の宿題を用いた学習指導 琉球大学教育学部紀要, 97, 271-274.
淡野 将太・波照間 永熙 (2020). 小学校における自己調整学習と学業成績の関連 琉球大学教育学部紀要, 97, 275-277. (Tanno, S., & Hateruma, E. (2020). Relationship between self-regulated learning and grade level in elementary school. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 97, 275-277. In Japanese.)
越中 康治・目久田 純一・淡野 将太・徳岡 大・中村 多見 (2020). 道徳の教科化と評価の導入に対する教員の認識 宮城教育大学教育キャリア研究機構紀要, 2, 83-91.
越中 康治・目久田 純一・淡野 将太・徳岡 大 (2019). 国民意識と道徳教育均質化志向及び道徳の教科化への態度との関連 宮城教育大学紀要, 54, 425-431.
屋良 皇稀・淡野 将太 (2019). 児童の登校を巡る意識に関する研究 琉球大学教育学部紀要, 95, 57-63.
淡野 将太 (2019). 人はなぜやつ当たりをするのか?その心理学的分析 論座, 2019年6月12日. (Tanno, S. (2019). Displaced aggression. Online media article. In Japanese.)
淡野 将太 (2018). ソーシャルメディアを用いた対人交流 琉球大学教育学部紀要, 93, 1-5. (Tanno, S. (2018). Interpersonal networking through social media. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 93, 1-5. In Japanese.)
淡野 将太 (2017). 遊びから見た幼児期の仲間関係の発達に関する心理学卒業研究指導報告 琉球大学教育学部紀要, 91, 1-8. (Tanno, S. (2017). Instruction report of graduation research on peer relationships and play in childhood. Bulletin of Faculty of Education University of the Ryukyus, 91, 1-8. In Japanese.)
淡野 将太 (2017). 幼児期におけるごっこ遊びの様相に関する心理学卒業研究指導報告 琉球大学教育学部教育実践総合センター紀要, 24, 45-52. (Tanno, S. (2017). Instruction report of graduation research on pretend play in childhood. Bulletin of Faculty of Education Center for Educational Research and Development, 24, 45-52. In Japanese.)
淡野 将太 (2016). 保育における主体性育成 平成27年度島根大学教育学部附属学校園研究紀要, 22.
淡野 将太 (2015). 心理学と幼児教育 島根大学教育学部附属幼稚園平成26年度実践集録, 37.
淡野 将太 (2015). 幼稚園教育における環境構成とモデリング 平成26年度島根大学教育学部附属学校園研究紀要, 15.
淡野 将太・内田 祐 (2015). 保育学教育としての絵本作成 島根大学教育臨床総合研究, 14, 167-179. (Tanno, S., & Uchida Y. (2015). Picture book construction for childcare education. Bulletin on Center for Supporting Education, Shimane University, 14, 167-179. In Japanese with English abstract.)
Tanno, S., & Isobe, M. (2014). Effect of a psychoeducational intervention on displaced aggression. Memories of the Faculty of Education, Shimane University, 48, 39-42.
Tanno, S. (2013). Using communication papers to facilitate interactive instruction. Hiroshima Psychological Research, 13, 239-242.
淡野 将太 (2013). やつ当たりの研究パラダイム 広島大学大学院教育学研究科紀要第三部 (教育人間科学関連領域), 62, 99-104. (Tanno, S. (2013). Research paradigm of displeced aggression. Bulletin of the Graduate School of Education, Hiroshima University, Part. Ⅲ (Education and Human Science), 62, 99-104. In Japanese with English abstract.)
Tanno, S. (2012). Classroom interaction and instructional design. Hiroshima Psychological Research, 12, 279-284.
Tanno, S. (2012). The effects of interpersonal relationships on triggered displaced aggression. Kazama Shobo. (Book publication, ISBN-13: 9784759919424)
Tanno, S. (2011). Taking over research styles and instructional modes of leading researcher. Hiroshima Psychological Research, 11, 333-338.
徳岡 大・山縣 麻央・淡野 将太・新見 直子・前田 健一 (2010). 小学生のキャリア意識と適応感の関連 広島大学心理学研究, 10, 111-119.
淡野 将太 (2010). 置き換えられた攻撃研究の変遷 教育心理学研究, 58, 108-120. (Tanno, S. (2010). Research on displaced aggression and triggered displaced aggression: A review. Japanese Journal of Educational Psychology, 58, 108-120. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太 (2009). 地位が低い攻撃対象者に対するTDAに及ぼす関係性の調整効果 広島大学大学院教育学研究科紀要第三部 (教育人間科学関連領域), 58, 193-198. (Tanno, S. (2009). The moderating effect of relationships on triggered displaced aggression towards low-status targets. Bulletin of the Graduate School of Education, Hiroshima University, Part. Ⅲ (Education and Human Science), 58, 193-198. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太 (2009). ひとりで遊んでいる子どもの社会的行動特徴――静的遊びについて―― 発達研究, 23, 107-114. (Tanno, S. (2009). Social behavior of children playing alone: In the case of solitary passive play. Human Developmental Research, 23, 107-114. In Japanese with English abstract.)
若山 育代・岡花 祈一郎・一色 玲子・淡野 将太 (2009). 5歳児の協働描画の成立要因に関する一考察――非再現的表現「お化けトラック」を取り上げて―― 学習開発学研究, 2, 51-60.
淡野 将太 (2008). 攻撃の置き換え傾向とTDAパラダイムにおける攻撃評定の関連 広島大学大学院教育学研究科紀要第三部 (教育人間科学関連領域), 57, 221-224. (Tanno, S. (2008). Relation between trait displaced aggression and aggressive responding in triggered displaced aggression paradigm. Bulletin of the Graduate School of Education, Hiroshima University, Part. Ⅲ (Education and Human Science), 57, 221-224. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太 (2008). ひとりで遊んでいる子どもはどのように遊びを変化させるのか?――自由遊び場面における非社会的遊びの変化プロセス―― 発達研究, 22, 263-270. (Tanno, S. (2008). How do preschool children playing alone change over their play?: Change process of nonsocial play in free play. Human Developmental Research, 22, 263-270. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太 (2008). 置き換えられた攻撃の誘発(TDA)に及ぼす挑発者および攻撃対象者の地位の影響 教育心理学研究, 56, 182-192. (Tanno, S. (2008). Status of provocateur and target, and triggered displaced aggression. Japanese Journal of Educational Psychology, 56, 182-192. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太 (2008). 攻撃の置き換え傾向尺度(DAQ)日本語版作成に関する研究 教育心理学研究, 56, 171-181. (Tanno, S. (2008). Japanese version of the Displaced Aggression Questionnaire. Japanese Journal of Educational Psychology, 56, 171-181. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太・前田 健一 (2007). 大学生とニックネーム ――ニックネームの由来とニックネームに対する感情について―― 広島大学心理学研究, 7, 311-314. (Tanno, S., & Maeda, K. (2007). University students and nicknames: The origins of nicknames and the feelings toward nicknames. Hiroshima Psychological Research, 7, 311-314. In Japanese with English abstract.)
越中 康治・新見 直子・淡野 将太・松田 由希子・前田 健一 (2007). 攻撃行動に対する幼児の善悪判断に及ぼす動機と目的の影響 広島大学大学院教育学研究科紀要第三部 (教育人間科学関連領域), 56, 319-323.
新見 直子・前田 健一・越中 康治・松田 由希子・淡野 将太 (2007). 大学生のアイデンティティ・スタイルとキャリア発達の基礎スキル 広島大学大学院教育学研究科紀要第三部 (教育人間科学関連領域), 56, 253-261.
淡野 将太・前田 健一 (2006). 自由遊び場面における幼児の非社会的遊びの変化 広島大学心理学研究, 6, 249-256. (Tanno, S., & Maeda, K. (2006). The change of non-social play of preschool children in free play. Hiroshima Psychological Research, 6, 249-256. In Japanese with English abstract.)
淡野 将太・前田 健一 (2006). 日本人大学生の社会的行動特徴としての甘えと文化的自己観の関連 広島大学心理学研究, 6, 163-174. (Tanno, S., & Maeda, K. (2006). The relations between amae as a social behavior of Japanese college students and cultural construal of self. Hiroshima Psychological Research, 6, 163-174. In Japanese with English abstract.)
越中 康治・江村 理奈・新見 直子・目久田 純一・淡野 将太・前田 健一 (2006). 幼児の社会的適応と攻撃タイプ(4) 広島大学心理学研究, 6, 141-150.
越中 康治・江村 理奈・新見 直子・目久田 純一・淡野 将太・前田 健一 (2006). 幼児の社会的適応と攻撃タイプ(3) 広島大学心理学研究, 6, 131-140.
越中 康治・目久田 純一・淡野 将太 ・前田 健一 (2006). 制裁としての攻撃に対する幼児の善悪判断に及ぼす損害の回復可能性の影響 広島大学大学院教育学研究科紀要第三部 (教育人間科学領域), 55, 237-243.
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